遠軽や網走で、秘境駅やサンゴ草やシマリスを見たときの話
最近、北海道外へ旅行に行くことが多くなり、あんまり北海道内を周ってないね、ってことに気づいたので、9月の下旬に、白滝・遠軽・サロマ湖・網走とオホーツク方面に1泊の小旅行に行ってきました。
白滝シリーズ巡り
旭川と網走を結ぶJR石北本線には、名前に「白滝」と付く駅が4つあって、マニアの間では「白滝シリーズ」と呼ばれるんだけど、村の中心駅である白滝駅を除けば、一日の乗降車数がごくわずかといういわゆる秘境駅ばかり。
来年には白滝駅以外の全ての駅、上白滝駅・奥白滝駅・下白滝駅が廃止されるということで、この機会に見に行ってみることに。
すでに廃駅となり、現在は信号所となっている旧・奥白滝駅。
ホームは剥がされているものの、駅舎はそのまま残されていました。
駅の周辺はかつて林業で栄えたらしいけど、民家はおろか何らかの遺構すら見当たらず。
一日に停車する列車は上下1本ずつという、究極の過疎駅、上白滝駅。
秘境駅にしては立派な駅舎。駅前には数軒の民家があった。
国道333号線沿いに位置する旧白滝駅。
「新」の付く駅名は数多いけど、「旧」の付く駅名はとても珍しいんだとか。
駅舎は「白滝シリーズ」の中では最も質素な板張りの小屋です。これも味があっていいよね。
「白滝シリーズ」、最後に訪れたのが下白滝駅。
こちらもしっかりした駅舎なんで、かつては賑わいを見せた時期もあったんだろうか?
太陽の丘えんがる公園
続いては遠軽へ。広大なコスモス畑で有名な「太陽の丘えんがる公園」へ行ったんだけど、天気も悪いし、普通のコスモスはもう見頃を終えているようなので、園内に入るのはやめて(入園料かかるしね)外からちょっとだけ見ることに。
オレンジ色が鮮やかな黄花コスモスのほうは、ちょうど満開になってた。
公園の入口にいっぱい咲いていた百日草。カラフルで華やか。
高台の上から公園を見下ろしてみる。普通のコスモスはほとんど散っちゃってた。
公園からさらに丘を上ったところにある「見晴牧場」から、遠軽の街を眺める。
左手に見えるゴツゴツした岸壁が遠軽のシンボル、瞰望岩(がんぼういわ)。
サロマ湖のサンゴ草
続いては日本で3番目に広い湖、サロマ湖へ。
キムアネップ岬のサンゴ草。それほど規模は大きくなく、赤と緑の面白いまだら模様になってた。
そう言えば、湖なのに岬があるって面白いよね。屈斜路湖には「半島」もあるけど。
ワッカ原生花園にもサンゴ草あったんだ。知らなかった。こちらのほうがキムアネップ岬よりもキレイだった。
ワッカ原生花園のあたりから見るサロマ湖の夕景。
期待したんだけど、この後、雲がかかってきてキレイな夕焼けを見ることはできなかった。残念。
オホーツク網走ザンギ丼と網走ちゃんぽん
夕食は網走市内のホテル「網走セントラルホテル」のレストランに、網走のご当地グルメを食べに行きます。
網走市内ではグレードの高いホテルのようで、レストランもお上品にコース料理を頂くような雰囲気。従業員の方の接客もとても丁寧で、なんか恐縮した。
オホーツク網走ザンギ丼。
ザンギというと普通は鶏肉を揚げたものなんだけど、これはオホーツクサーモン(カラフトマス)を使っています。
これをとろろや温泉卵と一緒にいただきます。うむうむ、旨い。
網走ちゃんぽん。正直、たいして期待してなかったんだけど、これが絶品!
元々美味しいちゃんぽんのスープに魚介の旨味が加わってたまらなく深い味わいになってる。こりゃ驚いたわー。
なんで網走でちゃんぽんなのかって言うと、長崎県の小浜と網走は練り物繋がりで交流があり、小浜の名物のちゃんぽんに網走の海産物を加えた新しいご当地グルメが誕生したんだとか。
この前、熊本に行ったとき天草で食べたちゃんぽんも美味しかったけど、この網走ちゃんぽんはそれ以上のインパクトでした。
東横インオホーツク・網走駅前
宿泊は網走駅の目の前にある東横イン。
1泊だけなので、網走湖やサロマ湖の温泉宿も考えたんだけど、温泉が充実しすぎた熊本旅行の後だと泊まりたいと思えるようなところがなくて、結局このビジネスホテルに泊まることに。
北海道民向けのふるさと旅行券、「どさんこ旅行券」を利用できたので、2割引きの5600円で宿泊することができました。
可も不可もない安定の東横イン。部屋もベッドもバスルームも、特筆するようなところはないんだけど、充分快適で安心して泊まれる。
部屋の窓からは網走駅が見え、ホームの列車もちらっとだけ見えた。トレインビューってやつ?
網走駅のカニカレー
網走駅の駅弁売り場で「カニカレー 500円」の文字を見つけて気になって買ったもの。
これが大当たり!
カニの身がびっくりするほどたっぷり入っていて、カレーに豊かな旨味を与えている。
駅弁のカニ弁当が1000円くらいすることを考えると、この500円ってのは破格の安さだなー。また網走を訪れた時には食べたい。
能取湖のサンゴ草
網走の能取湖南岸に位置する卯原内地区で見られるサンゴ草。湖岸に深紅のカーペットが広がっているような独特の景観です。
一時は環境改善に失敗し、壊滅状態に陥ったそうだけど、今ではほぼ回復したようです。他ではなかなか見られない風景なので、良かった良かった。
前に見た時には、赤がスカスカだったんだけど、よくここまで回復したなぁ。
サンゴ草というのは通称で、正式にはアッケシソウ。この能取湖やサロマ湖だけでなく、コムケ湖や風連湖など、道東の塩湿地を持つ湖によく生育してるらしいけど、能取湖の卯原内で見られるものが最大の群生だそうです。
オホーツク シマリス公園
コンパクトな敷地のなかに、30匹ほどのシマリスが飼育されていて、エサをあげたりすることができます。
ちなみに公園にいるのは、北海道に生息しているエゾシマリスじゃなく、近縁種のチョウセンシマリスかチュウゴクシマリスのようです。
入園料は400円で、ちょっとだけリスのエサを貰うことができます。エサはあとから追加で購入することも可能です。
可愛すぎるので、写真いっぱい貼ってく。
あああー、可愛えええええ!!!
とても人に慣れてるシマリス達は、手から直接エサを取って食べたりもします。
手の上にまで乗ってくることも。
よくばりなほっぺたも可愛い。
両手を上手に使って種の殻を剥いて中身だけ食べます。
枯れ葉を口の中いっぱいに詰め込んでる。食べるわけじゃないだろうから、巣作りのためかな?
ぐいぐい口の中に押し込んでる。
エサはひまわりの種とかかぼちゃの種とかいろいろあったけど、稲穂が一番のお気に入りみたい。
器用に一粒一粒籾殻を外して食べてる。
エサをねだるように立ち上がる姿もたまらなく可愛いー。
丸まった後ろ姿はしましま団子。
なんともメルヘンチックなシーン。
たった400円でこれほど可愛らしい動物を間近で見られるとは、素晴らしいよ、シマリス公園。網走方面に来たときにはぜひ行くことをお勧めしたいです。
シマリスとは大きさも姿形もかなり違います。エゾリスは冬毛のほうがもこもこしてて可愛いな。
瀬戸瀬温泉
最後に、遠軽町の山間に位置する秘湯の温泉宿、瀬戸瀬温泉の「セトセ温泉ホテル」で日帰り入浴してきました。
北海道には味のある秘湯宿というのはあまり多くないので貴重な存在です。
ホテルを名乗ってるけど、ちっともホテルっぽくない外観。
露天風呂はなく、年季を感じる内湯はひょうたん型の浴槽がひとつあるだけというシンプルな造り。
キレイに透き通ったお湯が掛け流しになっています。泉質はアルカリ性単純泉で、肌触りはつるつるすべすべ。
浴室の鄙びた雰囲気といい、透明なお湯が湯船の縁からサラサラと流れ出ていく風情といい、優しく肌触りのいい極上のお湯といい、これは素晴らしい!
初めて入りに来たんだけど、なんで今まで来なかったんだろ?とちょっと後悔するくらいのいい温泉でした。
でも、館内は清潔感があるとは言い難いし、至るところがタバコ臭い。ここに宿泊することも検討してたんだけど、日帰りで温泉だけ味わうことにして正解かな。
というわけで
1泊の短い時間でしたが、風景ありグルメあり動物あり温泉ありと、充実した旅行になりました。
うん、やっぱ北海道っていいわ。